楽器と声と筋肉

楽器演奏は筋肉記憶がスキルを支配していると思う。声も同様に思う。

ギターだと左手の薬指・小指の動きみたいな、まったくうまく神経伝達ができず動かしにくい筋肉も、しばらくやると少しずつ改善する。声の出しかたも同様に、なんかすごく出しにくい方法もしばらくすると出せるようになったりはする。筋肉の動かしかたにはどうしても生きてきた分のクセがある。意識して練習すると、神経伝達は割とすぐ改善しはじめる一方、筋肉量は改善しにくい。


スキルトイはおおむね、筋肉記憶を使うが、ものよって支配度は違うように思う。ルービックキューブは筋肉記憶と通常思考のパラレル化で高速化するものの、筋肉記憶よりは思考で律速される。スケートボードはかなり純粋に筋肉記憶に支配される。楽器演奏はルービックキューブよりはスケートボードに近く感じるが、リズムの感じかたとかコード進行の意識をするとルービックキューブのような筋肉記憶と思考のパラレルが必要になる。


一方、プログラミングはほとんど筋肉記憶を使わない。タッチタイピングがそれにあたるかもしれないが、IDEがかなりを補完して書いてくれる現状ではタイピング速度やタッチタイピングは必須でもない。思考に支配されているし、ただ手を動かすという反復練習によるスキル向上はほとんどまったくない。筋肉の成長という肉体と時間に律速されないので、できる人のスキル向上速度は早い。楽曲作成も本質的には筋肉記憶とは関係ないのでプログラミングに近く、楽器演奏と楽曲制作は意外と遠いスキルと思う。